8.4. 同期化ツール

同期化ツールは、クラスタのノード間での整合性を提供するツールです。同期化ツールの用途については、すでに説明しました。この項では、このツールがどのように実装されているかについて説明します。

同期化ツールは、システム間でファイルを転送するのにセキュアシェル(SSH)を使用しています。同期化ツールを起動したシステムが常に送信元になります。リストされた他のシステムは、送信元から内容を受け取ります。送信先から送信元へはファイルは転送されません。また、同期化ツールは指定したディレクトリのファイルを単純にコピーするので、送信先のファイルが修正されていた場合、そのファイルは上書きされてしまいますので注意してください。

実際のファイル転送は、scp プログラムによって実行されています。SSH のすべてのプログラムと同じように、各システムに初めて接続するときはパスワードの入力を要求されます。同期化ツールを使用するには、ルートパスワードを入力する必要があります。SSH は接続設定を記憶するので、最初に接続が成功したあとはパスワードを入力する必要はありません。このパスワードは暗号化されて保管されており、SSH は常に安全に作業を行います。

クラスタ構成を同期化する tlclb_config_sync は、クラスタの構成ファイルを同期化する特別なプログラムです。これは /etc/clusterserver ディレクトリにあるファイルをコピーするので、すべてのシステムがまったく同じように構成されます。また、ライセンスファイルもコピーするため、すべてのシステムが実行可能になります。

Turbolinux 11 Server と一緒にインストールされる SSH のバージョンは、openssh-4.7p1-3 です。Turbolinux 11 Server がインストールされていないサービスノードでも SSH がインストールされていれば、同期化処理に含めることができます。しかし、SSH の異なるバージョンにはいくつかの既知の非互換性があるので、問題が発生した場合はバージョンを切り替えるなどの対処が必要となります。SSH がインストールされていないないシステムは、同期化処理に含めることはできませんので、同期化ツールのサーバーリストから削除してください。これらのシステムは、手動で内容を同期化する必要があります。

ティップ

より高度な同期化が必要な場合は、より強力なソリューションをユーザー自身で検討する必要があります。例えば、rsync は複数のシステム間でデータを同期化するのに非常に便利なプログラムです。複数のソースからどのソースを同期化すべきかを判断できます。ssync と呼ばれるセキュアバージョンも実装されています。しかし、第2章 で説明したように、究極のソリューションは分散ファイルシステムを実装してすべてのノード間で常に一貫した内容を保持するか、ハードウェア共有ストレージソリューションを使用することです。