1.3. システム要件

Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 は、複数のコンピュータのリソースを結合するために使用します。これらの各コンピュータに必要とされるシステム要件は、クラスタを構成する際の役割によって異なります。主な 2 つの役割は、アドバンスドトラフィックマネージャ(ATM)とサービスノードです。サービスノードは、ネットワークサービスを提供するシンプルなシステムです。ATM はすべての入力パケットを受信し、それを各サービスノードに転送するマシンです。また、プライマリ ATM が停止した場合にのみアクティブとなるバックアップ ATM もあります。システムは、同時に ATM とサービスノードの両方として機能するように構成することもできます。

1.3.1. ソフトウェア

Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 は以下のオペレーティングシステムにインストールする必要があります。

ATM とするシステムには、Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 をインストールし、実行する必要があります。ATM とならないサービスノードには、Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 をインストールする必要はありませんが、すべてのサービスノードへも Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 をインストールすれば、クラスタ管理がより簡単に行えます。

また、サービスノードとなるシステムは、クラスタ化するサービスを提供するソフトウェアがインストールされている必要があります。例えば、Web サーバーをクラスタ化する場合、各サービスノードで Web サーバーが稼動している必要があります。これらのサービスを提供するソフトウェアは、 Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 には含まれていませんが、サービスの多くは、オペレーティングシステムと共に提供されています。例えば、Turbolinux 11 Server には、Apache Web サーバーが一緒に提供されています。

1.3.2. ハードウェア

Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 は、高いパフォーマンスを提供するように設計されているため、Turbolinux では、パフォーマンスニーズに合ったハードウェアを使用されることをお勧めします。ATM のハードウェア仕様は、ルーターの仕様と似ています。信頼性のある効率的なハードウェアを選択してください。注目すべき重要な要因は、ネットワークインターフェイスの速さ、メモリ、および CPU の速さです。現在では、それは少なくとも 100Mbps のイーサネットカード、256MB 以上の RAM(推奨は、512MB以上)、PentiumII 以上のプロセッサを意味します。

他のサービスを実行しないのであれば、ディスク容量はそれほど重大ではありません。システムで実行している他のソフトウェアの要因も確認してください。Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 自身は、約 40MB のディスク容量が必要です。この他に、ログファイルと他の管理タスクのために多少の追加容量が必要です。

ATM で NAT を設定する場合、ATM となるコンピュータは 2 枚のネットワークカードを搭載する必要があります。1 つのネットワークカードはクライアントからの要求を受信するのに使用します。もう 1 つは、内部ネットワークへ接続するために使用します。

サービスノードのハードウェア要件は、システムがスタンドアローンで実行されている場合と同じです。サービスノードのオペレーティングシステムとソフトウェアにより要求されるハードウェア要件を超える追加の要件はありません。注意すべき主な点は、どのサービスがどのノードで実行されているかということです。

最も高い稼動時間を提供するには、可能なかぎりハードウェアの冗長性を実装することです。クラスタが電源障害時にも実行された状態を保証するには、UPS を導入すべきです。また、各システムの電源装置を重複して持つことも検討してください。一定したデータアクセスを保証するには、RAID を使用できます。ドライブモニタリングと RAID 5 は冗長性を提供し、ホットスワップ可能なハードドライブによって欠点のあるコンポーネントを置き換えることができます。システムのバックアップも忘れずに行ってください。冗長したハードウェアを使用すれば、ソフトウェア障害を回避することができます。

また、Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 をインストールするには、CD-ROM ドライブが必要です。CD-ROM ドライブは必ずしもすべてのコンピュータに搭載されている必要はありません。NFS や他の方法を使用してそれにアクセスすることができます。また、本製品の登録を行うには、インターネットへ接続できる環境が必要です。

表 1-1. 推奨するハードウェア要件

ATM(アドバンスドトラフィックマネージャ)
CPU Pentium II 以降、Hyper-Threading 対応、i686 命令セットをサポートする CPU
Intel EM64T / AMD64 対応プロセッサ、マルチコア対応
メモリ256MB 以上 512MB 以上を推奨
ネットワーク100Mbps イーサネットカード
ディスクRAID5 推奨。Turbolinux Cluster LoadBalancer 11 インストール時のディスク増分量は約 40MB。
CD-ROM ドライブ必須
電源装置UPS の使用を推奨

注意

NAT 使用時にはイーサネットカードは複数枚必要

1.3.3. インフラストラクチャ

ネットワークサービスのクラスタを構成するには、安定したネットワークが不可欠です。可能であれば、すべてのクラスタノードを 1 つのサブネットに置き、このサブネットを残りのネットワークから分離させます。これにより、さまざまな問題をネットワークから分離でき、クラスタは最大のパフォーマンスで動作します。トラフィックが非常に高いクラスタの場合は、1 つのサブネットのバンド幅があふれる場合があります。このようなケースでは、複数のサブネットを使用することを検討してください。

最大のパフォーマンスを実現するには、すべてのクラスタノードを 1 つのサブネットまたは LAN に配置することをお勧めしますが、必須というわけではありません。トンネリング方式を使用している場合は特にそうですが、サービスノードはどこにでも柔軟に配置できます。しかし、すべての ATM は同じサブネットに置く必要があります。理由は、すべての ATM がクラスタ自身の仮想 IP アドレスを処理できる必要があるためです。これは、その IP アドレスが含まれているサブネットでのみ行えます。

可用性の高い Web サイトを構築する場合は、ネットワークに冗長したインターネットルーターを配置することを検討してください。ルーターの 1 つが停止しても、そのまま外部からクラスタにアクセスできます。最良の冗長性を実現する場合、各ルーターは別のインターネットサービスプロバイダを経由する必要があります。可用性の高いクラスタは、ユーザーがインターネットから切断してもさほど影響はありません。

ドメイン名を IP アドレスにマップするには、DNS サーバーを構築することを強くお勧めします。名前解決は、 DNS 正引き、 逆引きともに正常に動作している必要があります。他のすべてのサーバーと同じように、クラスタ内のシステムは DHCP によって割り当てられるアドレスではなく、静的 IP アドレスを持っていなければなりません。