第 12章FTP サーバー

12.1. ProFTPD の概要

FTP(File Transfer Protocol)は、ネットワーク上のクライアントと FTP サーバーとの間で、ファイル転送を行うためのプロトコルです。FTP サーバーにアカウントを持つユーザーは、FTP クライアントで FTP サーバーにログインし、自分のホームディレクトリへファイルをアップロード、またはダウンロードすることが可能です。例えば FTP サービスは、ユーザーが自分のホームディレクトリにあるホームページを更新するための手段として広く利用されています。また、インターネット上の FTP サイトの中には、不特定多数のユーザーに FTP サーバーへのログインを許可している匿名 FTP サーバー(Anonymous FTP)と呼ばれるサイトもあります。匿名 FTP サーバーにログインしたユーザーは、そのサイトにあるファイルを自由にダウンロードすることができます。

Linux で利用可能な FTP サーバープログラムには、ProFTPD、vsftpd、wu-ftpd 等いくつかの種類がありますが、Turbolinux 11 Server では ProFTPD を採用しています。以前の Linux ディストリビューションで最も一般的に採用されていた wu-ftpd は、優れたパフォーマンスを示しましたが、セキュリティホールがしばしば発見されるなど、セキュリティ面の弱さに問題がありました。そのため、よりセキュアで多機能な全く新しい ProFTPD が開発されたという経緯があります。vsftpd は、非常にシンプルで、特にセキュリティを強化した FTP サーバープログラムであることが特徴です。vsftpd の vs が、Very Secure に基づいていることからもそのことが伺えます。現在では、ProFTPD とならび vsftpd も多くの Linux ディストリビューションで採用されていますが、設定の柔軟性や機能面では ProFTPD に劣ります。vsftpd は、基本的な FTP サービスの提供には適していますが、FTP サイトの管理者が要求する機能を持っていない可能性があります。ProFTPD は、Web サーバーの Apache のようにセキュアで自由度の高い設定が可能な FTP サーバーを目標として開発され、設定ファイルの書式も Apache と非常によく似ているのが特徴です。